【はじめに私見】
新築のマンションを購入するというのは、人生の最大級の賭けであると、私は思う。
なにより、建物や設備のハード面が、しっかり長持ちしてくれるのか、専門家が見たってわかりゃしないのに、まだ完成もしていない段階で、売買契約を結ぶのだから、これを賭けと言わずして、何と呼べば良いのだろうか?
そして、マンションの販売時にセットで押しつけられる「管理会社」の力量も、よくわからないし、住民の憲法とも言うべき「管理組合規約」は、管理会社から押しつけられ、これにはんこを押さないと、売買契約が成立しない。ふつうは、よく読みもしないで、賃借人の気分ではんこを押してしまう。
きわめつきは、隣人のことである。入居者は善良な人たちであろうか? とくに隣や上下階の入居者とは、ひょっとすると、一生おつきあいをすることになる人たちだ。気に入らないからと言って、転出することなど、事実上不可能なのだから、入居初日の笑顔の挨拶は、生涯忘れない思いがする。マンションに、法律や、会計や、建築の専門家が入居していてくれたら、心強いだろうけれど、そういう人たちが、親身になってマンションの行方を案じてくれるかどうかは、わからない。
私は、マンションに住んで12年になる。
さまざまな事件もあったが、建物や設備などの「修繕にまつわる話題」に絞って、具体的な事例を紹介していきたいと思う。
このホームページが、同じような悩みを抱えるマンション管理組合や理事会のかたがたのお役に立てれば、なによりの喜びである。
なお、とくに断りのないかぎり、このコーナーでは、表の部分は事実(議事録や、マンション配布文書などを含む)を記載するものとし、表外の文章は私のコメントを記載する。
私たちのマンション(「札幌Pハイム」56戸)の自己紹介は、こちらへ
1986(S61).9.17 | 待望のマンション完成・所有権登記・入居説明会 私の手元に、記録は残っていないが、9月15日に、管理組合総会が開催された。 販売会社の推薦を受けて、理事長以下4名の第1期役員が決定した。 このとき、販売会社に対しの要望事項などが討議された。 |
1986(S61)10.15 | 理事会にて、理事長を決定。 マンションの売買契約書に基づき、理事長名で、管理会社との管理委託契約を締結。 |
1986(S61).11.17 | 管理組合臨時総会 (出席39 委任状14 合計53) 管理組合が産声を上げ、第1期の役員(理事・監事計4名)が選出された。 1.初年度予算の承認 会計年度は、毎年10月1日から翌年9月30日までとする。 2.自転車置き場の検討を理事会に一任 3.町内会への加入と、町内会役員の選出 4.駐車場の空きについて、第三者(居住者以外)使用の承認 5.機械除雪の方法について、除雪業者との交渉経過報告 6.入居者名簿(室番・氏名・電話番号)の作成と配布を承認 (以下、省略) ……などが、議事録に記載されている。 |
第1期役員のしごと | 当時の「配布文書」「管理組合事業報告書」から主要なものを抜粋する 1.管理運営費に充当する目的で、毎月1回、古紙回収を実施する。 (月平均3000円近い収入が発生した) 2.除雪契約の締結(管理会社が、除雪業者とのあいだに入って、委託契約) 3.長期修繕積立金を、5年満期の一時払い養老保険(運用実績が良いため)に預ける。 4.販売主に対して、補修工事の要求と打合せ(年間に延べ9回) 5.冬期間の自転車保管方法の検討 6.駐車場改修・植木・芝生問題等 7.自衛消防団の結成 8.管理費の赤字対策協議。管理会社の変更を協議。 |
【私見】……初代役員の選出
役員の選出には、どこのマンションでも、販売会社は、入居者の中から、役員にふさわしいと思われるひと(公務員など社会的な信用が高いと思われる人)を、内々で打診しておいて、「立候補者がいなければこちらから推薦します」という形をとっているようである。
顔も名前も、もちろん人柄もわからない状態での、「最初の総会」であるから、よほどのことがないと、「私が役員をやりたい」と手を挙げるヒトはいない。
しかし、もし、私がもういちど、新築マンションに入居することがあるなら、私は自分の意志で、手を挙げたいとおもう。
なぜなら、初代の役員の責務は非常に重く、以後のマンションの運命を変えてしまうほどの影響を持つからである。
そうした重要なしごとは、強力な実務家の役目だろうとおもう。
ただし、役員の中に、そういう人物がひとりいればいいのであって、基本的には「円満な人格者」が選ばれるのに越したことはない。
それはともかく、12年前、ワープロも普及していない時代に、こつこつと「マンション便り」を発行してくださった、当時の役員さんには頭が下がる。
───それじゃ、おまえは何をしていたのかと言われそうである。
当時、私は絵に描いたような会社人間であり、休日も家庭生活も返上して、連日12時間以上働きづめであった。それを口実にして、面倒なことから逃げ回っていたのだ。
1987(S62).4 | 配布文書によれば、駐車場の区画について、初代の役員さんがたいへん苦労されたことが分かる。
また、懸案だった自転車置き場については、屋根付きの駐輪場では建設費用が嵩むため、当面は、マンションの壁に沿って、整然と並べるように提案があった。(通路と建物のあいだの、芝生部分に駐輪する) |
1987(S62).5 | 雪解けを待って、販売主の「札幌マンション販売」(仮名)にて、下記の補修工事を実施
……などが、配布文書に記載されている。 |
1987(S62).9.27 入居満1年 |
定期総会開催 (出席27 委任状23 合計50)
|
1987(S62).10.17 | 新理事会による、「マンションだより」の発行 B4版で3ページに及ぶ、詳細な見解書が提示された。
……管理費・修繕積立金の値上げについては、1カ月後の「総会議案書」に添えて、理事会の見解書が添えられ、組合員が十分に検討できるように配慮された。 |
1987(S62).11.27 | 臨時総会開催(出席22 委任状32 合計54)
……など。 |
【私見】……販売会社は、修繕積立金を安易に設定するな
私のマンションのように、修繕積立金の値上げがスムースに決まっていくマンションは少ないようである。
当時の「マンションだより」をいま読んでみると、修繕積立金については、「10年後に4000万円を積み立てる」という明確な目標を設定し、総会前から詳細な検討資料を配付し、入居者の理解を得るためにたいへんにご苦労されたことがわかる。
入居2年目の総会で、早くも向こう3年間の値上げ案(各タイプごとの定額)が承認されたことも、それ以後の見直し時期には、かならず総会で値上げが提案され、承認されてきた事実を見ても、その基礎を作ったのはこの時期の役員さんたちであると言って良い。
具体的には、役員のみなさんたちが、新聞記事(「修繕積立金が不足して、修繕工事ができない」「大規模改修の一時金が、年金生活者のくらしを直撃」など)の切り抜きを配布したり、あらゆる手段で将来の修繕費用について周知徹底を計ったからだとおもう。
それにつけても、分譲当時の「修繕積立金」の設定は、詐欺同然のごとく、格安である。
販売会社の「売らんかな」という姿勢がありありで、売ってしまえば、あとは管理組合の責任である。
入居者のほうも、生活設計をするのに、ローンの支払い・管理費・修繕積立金の支払いをぎりぎりの線で押さえるから、入居後の値上げは至難になっている。確実に必要になる大規模修繕に備えて、販売会社は、もう少し良識ある対応をしてもらいたいと、分譲マンションのパンフレットを見るたびに思う。
この期の理事会の事業報告書からいくつかをピックアップする。
事業報告書では、定期的に実施すべき法定点検に実施日をはじめ、さまざまな契約行為や、自主点検、日常小修理などの詳細にわたって報告されている。
1987(S62).12.10 | 発行された「マンションだより」から、その要約 1.防火管理者の選任・自衛消防隊の組織 当マンションに、有資格者のかたが2名いらしたので、お願いし、引き受けていただいた。 2.共用電気の節約 玄関ホール・各階の共用電灯は、深夜11時に消灯し、玄関電灯は間引き 外部の水銀灯は、4基のうち、3基を消灯 (注:日本中が、省エネに徹した時期でもあったので、こうしたことが受け入れられたのだと思うが、仕事で帰宅が遅い人は、階段が真っ暗で不便を強いられることになった。) |
1988(S63).7.1 | 札幌市中央消防署に、消防計画書を提出。承認を受ける |
1988.7 | 入居2年目で、はじめて排水管清掃(専有部分も、共用部分も)を実施した。 高圧洗浄により、2日間で全戸一斉に。 |
1988.8 | 販売会社に対して、アフターサービスの切れる2年目の補修要求
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別な角度で | はるか後に、私が、専門委員として、販売会社(「札幌マンション販売」)に掛け合い、取り寄せた、「アフターサービス記録」を紹介しておこう。 この記録を見るまでは、私はこの販売会社に対する信頼は薄かったのだが、やはり「記録文書」というものは、大切であると痛感した。→「札幌Pハイム工事履歴書」 へリンク これから、アフターサービスとして、1年点検・2年点検を受けられる、、マンションの方には参考になるだろう。 |
こうした初期の役員さんたちの努力が実り、私たちのマンションは、それ以後、おおむね平穏な生活を送ることができた。
「マンションだより」などの広報も、新役員の紹介などにとどまり、理事会の活動は見えにくくなった。
1988(S63).11.2 入居満2年 |
定期総会 (出席24 委任状29 合計53)
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入居3年目の 主な事業 |
1.消費税導入にともなう、管理会社との管理契約内容の確認 2.管理会社に対し、大規模修繕計画案の立案を指示 それを受けて、修繕積立金の見直し案を作成 3.消防計画変更届(役員交代にともなう) 4.マンション親睦行事についてのアンケートを実施。 その結果を受けて、プレイロットで、親睦ジンギスカン&ビール・パーティーを実施(7月28日夕方) 41世帯 90名が参加した。廃品回収の収益金をつかい、個人負担をゼロとした。 5.入居後初の防火訓練を実施。通報・避難・消火器取り扱い等。50名参加。 |
1989(H1).11.17 入居満3年 |
定期総会 (出席23 委任状31 合計54) 1.昭和63年度 決算報告及び事業報告の承認 2.管理費剰余金100万円の、修繕積立金への振替を承認 3.平成元年度予算案の承認……業務委託費の、業務内容を内訳として明記することとする。 注)消防設備点検費・電気設備点検費・建築物提起報告・貯水槽清掃・監視システム料 4.修繕積立金の改訂 はじめて、長期修繕計画案が提示され、それを根拠に、修繕積立金の増額を協議。 すでに決定している平成2年までの値上げに続き、それ以後の3年間を前年比10%ずつ増額することに決定。 5.そのほか、マンションの生活環境維持や、深夜の迷惑騒音問題などを慎重に協議した。 |
1990(H2).11.28 入居満4年 |
定期総会 (出席18 委任状18 合計36) 1.平成元年度収支決算報告の承認 2.管理費剰余金200万円を、修繕積立金に繰り入れ 3.管理委託費の値上げ(人件費高騰により、5%アップ)の承認 4.平成2年度予算案の承認……管理委託費のアップは、除雪費の軽減により吸収 5.新役員の選出 4名を新任 |
入居5年目の 主な事業 |
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1991(H3).11.15 入居満5年 |
定期総会 (出席21 委任状28 合計49) 1.平成2年度決算報告および事業報告の承認 2.平成3年度予算案の承認……雪の堆積場所をなくし、排雪をするため、除雪契約を増額 3.エレベーター保守契約の変更……1回/2月を、年9回に変更 4.業務請負費の値上げ(人件費の高騰により、月額3000円を増額) 5.役員の改選 理事会案の4名を新任 6.修繕積立金(養老保険)の5年満期到来にともない、新規預入先を理事会に一任 |
入居6年目の 主な事業 |
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1992(H4).11.27 入居満6年 |
定期総会 (出席17 委任状24 合計41) 1.平成3年度決算報告の承認 2.平成4年度予算案の承認……管理委託費の月額5000円の増額を含む 3.新役員の選任 4名を新任 4.今年度から、町内会役員は、管理役員の1名が兼任する。 |
1993(H5).11.20 入居満7年 |
定期総会 (出席18 委任状29 合計47) 1.平成4年度決算報告の承認 2.平成5年度予算案の承認……管理委託費(管理要員費)月額約3300円の増額などを含む 3.修繕積立金の増額……次年度、10%増額の承認 管理会社のリフォーム部にて、建物を診断の上、長期修繕計画を作成することになった。 修繕計画書・見積書が提出された段階で、積立金を再考することにした。 |
平穏に見える5年間は、いわゆるバブル景気とその余韻が残った頃でもある。
毎年のように、管理会社から「管理委託費」の値上げが要請され、値上げもやむを得ないとする傾向が見て取れる。
理事会が発行する文書も、毎年一度、「定期総会議事録」だけという年が多くなった。
そのなかで、長期修繕計画の必要性が、年を追って高まっていった。
しかし、さきの定期総会で「管理会社のリフォーム部で建物を診断の上、長期修繕計画を作成……」は、管理会社の都合で実行されず、翌年には一歩突っ込んだ議決がされた。
そして、1995年は、私たちのマンションの歩みの上で、非常に内容の濃い1年となった。
1994(H6).12.3 入居満8年 |
定期総会 (出席18 委任状22 合計40) 1.平成5年度決算報告の承認 2.平成6年度予算案の承認……雪捨て場の変更にともなう除雪契約のアップ。管理委託費の増額。 組合員提案により、建物診断を専門業者に依頼することとし、費用100万円を計上することに。 3.新役員の選出 4名新任 |
1995(H7).1.17 | 「阪神大震災」が発生。 死亡者は5000人を超え、倒壊家屋74,000戸という大災害となった。 1.マンション管理会社から、「災害に備えて」という文書が配布された 2.マンション管理会社から、「非常用品セット」の頒布案内が配布された 3.マンションだよりが発行され、消化活動や避難の邪魔にならないように、不要物の除去依頼。 |
1995.7.21 入居9年目 |
臨時総会 (出席24 委任状20 合計44) ○議事録から主要なポイントを抜粋する 1.修繕積立金の増改訂について承認 管理会社から、修繕項目・金額・経年周期が提出された。 理事会において、これに物価上昇率を加味して、長期修繕計画表を作成した。 基本方針@ 臨時負担金は徴収しない 基本方針A 毎年度、赤字を出さない 基本方針B 予想されない修繕に対応するための一定財源を確保する に基づき、平成10年頃と予想される大規模修繕に備えて、現行の修繕積立金を倍に増額する。 また、組合員提案により、大規模修繕に関する専門委員会を設置することとする。 なお、さきの定期総会にて計上した、調査診断費用100万円は、支出しないこととした。 2.今後の小修繕工事の予定
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1995.9 | 理事会からの呼びかけに応じて、専門委員会に、4名が応募して発足した。 専門員会の活動はマンションの歴史(ステップ編)に述べる。 |
1995.10 | 理事会発の「アンケート調査」を実施 トランクルームの問題点(雨漏り・錆の発生など)を調査 プレイロット(前庭)の芝や樹木についての意識調査 廃品回収収益金の活用方法についての意見 |
1995.12.1 入居満9年 |
定期総会 (出席 委任状 合計 )
|
ここで、最後に私たちのマンションにおける修繕積立金の推移をまとめてみる。
表の最下段の、年間積立金額は、管理費余剰金からの繰り入れを含まない、純粋な積立金の年間合計である。
実際に積み上がった金額は、当初5年間の「一時払い養老保険」の利息収入や、管理費からの余剰金繰り入れなどで、この表の累計金額を大きく上回ったことを付記しておく。
専有面積 u |
入居時 一時金 |
1986年 1年目 |
1987年 2年目 |
1988年 3年目 |
1989年 4年目 |
1990年 5年目 (〜毎年) |
1995年 9年目 |
1996年 10年目 | |
値上げの方針 | 初年度基本 | →3.3倍 増額 |
→33% 増額 |
→25% 増額 |
→10%ずつ毎年 | →10% 増額 |
→2倍 増額 | ||
円/面積 | 1310円/u | 6円/u | 21円/u | 28円/u | 35円/u | 39円/u 〜51円 |
56円/u | 112円/u | |
Aタイプ | 75 |
98,000円
|
470円
|
1,560円
|
2,080円
|
2,600円
|
2,860円
|
4,200円
|
8,400円
|
Bタイプ | 91 |
120,000円
|
570円
|
1,890円
|
2,520円
|
3,150円
|
3,470円
|
5,090円
|
10,180円
|
Cタイプ | 92 |
121,500円
|
580円
|
1,920円
|
2,560円
|
3,200円
|
3,520円
|
5,170円
|
10,340円
|
Dタイプ | 106 |
140,000円
|
670円
|
2,220円
|
2,960円
|
3,700円
|
4,070円
|
5,960円
|
11,920円
|
Eタイプ | 107 |
141,000円
|
670円
|
2,220円
|
2,960円
|
3,700円
|
4,070円
|
5,960円
|
11,920円
|
年間積立金額 |
672万
|
34万
|
127万
|
170万
|
212万
|
234万
|
343万
|
686万円
|
【長期修繕計画の策定について】
長期修繕計画の必要性については、私も個人的に理解していたし、また建築の専門家としての自負心もあって、いずれ自分の力を発揮するときがくると、漠然と思っていた。
しかし、自分がそう思っていても、手を挙げて名乗り出なければ、何の価値もないのである。
考えることは誰でもできるが、行動するひとは少ない。まさに、赤面である。
ところで、長期修繕計画とはじっさいに、「誰が」「どんなふうに」原案をつくるのだろう?
いくつかの教科書で、調べてみたが、どうも、よくわからない。
私のマンションでは、1995年に策定された長期修繕計画の原案を、管理会社が作成した。
今回の大規模修繕が終わった段階で、今後の修繕計画の見直しを、私が作ることになっているが、まったく違ったものになると予想している。長期修繕計画の策定については、後日あらためて、ページを起こしたいと考えているのは、そのためだ。
じっさいの修繕にたずさわるまで、入居者のひとりとして、気にもしていなかったかが、私たちのマンションでは、総会の議事録にある通り、長期修繕計画の策定にあたっては、毎年、真剣に議論を尽くしたことが読める。
1993年11月の総会では「管理会社のリフォーム部に、建物診断と長期修繕計画の作成を依頼する」と決められたのに、管理会社の都合で、それが実現せずに終わっている
そして、ようやく1995年に至って、理事会が中心になって、管理会社と協力して長期修繕計画が策定された。
ところで、1992年1月〜1995年3月の約4年間、会社の命令で、私はこのマンションを離れて、東京へ出向していた。
東京への出向という事態がなければ、上記の建物調査や、長期修繕計画の策定に協力できたと思うし、正直言ってマンションに住んでいながら、建築士という専門家の立場での活動をいっさいしてこなかった自分を恥じた。
この間、理事会の皆さんには、たいへんご苦労をお掛けしたと思う。しなくても良い仕事をさせてしまったとの思いがあった。
だから、長期修繕計画を策定した1995年の臨時総会で、私は迷わず手を挙げて、「工事修繕等専門委員会」を組織する提案をした。10年近く、仕事一筋で、自分の住むコミュニティを省みなかった自分に対して、罪滅ぼしをしたいような気持ちもあった。
ここに至って、私たちのマンションは、間もなく到来する「大規模修繕」に向かって、万全の体制を確立することができたことになる。
@ 長期修繕計画の策定
A 長期修繕計画に対応する修繕積立金額の決定
B 実際に活動していく、専門委員会の組織
……この3本の柱ができれば、大規模修繕に向けての最初の段階(ホップ編)は卒業である。
では、ステップ編で、具体的な大規模修繕の準備作業について述べよう。
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