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現場代理人の山田さんと、各面の足場を回って、コンクリート躯体(くたい)のひび割れや、鉄筋爆裂(ばくれつ=コンクリート中の鉄筋が、錆びて膨張し、コンクリートの表面から弾け出ること)などを確認して回りました。 詳しくは、次の項目にてお知らせしますが、塗装を剥がしてみた結果、予想以上に欠陥がたくさん見つかりました。それに対する補修を最重要課題と考え、仕上げの工程を急がすことなく、1週間から10日程度の時間をかけて、悪いところをきちんと直させます。その結果として、全体の工程については、次回の協議会で、監理者として検討いたします。今のところ、ベランダ側の補修は順調に進んでおりますので、契約工程から大きくずれ込むようなことにはならないと考えております。。 |
【現在までの進捗状況】
5月16日現在 外壁の塗膜撤去は100%完了。水道水による高圧洗浄も、90%完了。
既存シール撤去は、打継ぎ目地(各階の境目にある水平の目地)を除いて、各面とも完了。ベランダ側から、シール打ち替えが、順次進んでおります。
ベランダ床の脆弱部分のモルタル撤去は、いちおう完了しましたが、水洗い後の再調査で、悪い部分があれば、手直しすることになっています。
工事の全体としては、24.0%の出来高です。
雨などのため、暦の上では、工程が3日ほど遅れておりますが、作業は順調に消化しております。
【今週・来週の工程】
1 | 継続作業として、外壁のひびわれ処理・鉄筋爆裂処理作業のため主として、西面・北面・東面で電動工具作業(ガリガリという音が多少します。)となります。 |
2 | 壁の高圧洗浄は、北面の一部のみ残っていましたが、先日までに完了しております。 |
3 | 5月13日から、シーリングを撤去した部分の打ち替え作業を行っており、ベランダ面の8階から、1階に向かって完了させたのち、西面・北面・東面を進めていきます。作業の音は出ません。 |
4 | 新規作業としては、古い塗膜を撤去した部分について、樹脂モルタルによる全面補修を開始しております。ベランダ側から開始して、2週間程度かかります。ほとんど、音は出ません。 |
●外壁の塗装をサンダーにてケレンしましたので、その埃が駐車場のクルマや、北側の自転車にも舞い降りて、白っぽくなっております。硬化したアクリル樹脂の粉末ですので、付着することはなく、水洗いにより簡単に取れます。どうぞ、ご理解下さい。
なお、6月に入ってからの、壁の塗装吹付に際しましては、駐車場のクルマには念のためビニールカバーを掛けて、万一の塗料付着事故に備えますが、風の状態に細心の注意を払いながら、塗料飛散防止を第一に作業を進めます。
今回の、外壁サンダーケレンが、全工程のなかで、いちばん汚れる仕事ですので、今後は、これ以上、埃が舞うことはないと考えております。1〜2回の降雨があると、足場の上に残っている埃も、落ち着くと思われます。ともあれ、監理者としては、すこしだけ、ほっとしております。
昨年、印刷物でお知らせしたように、97年5月から7月にかけて、北海道塗装と、札幌塗装工芸により、それぞれ個別にこの建物の調査診断を行いました。
その結果は、2社とも共通で、「外壁の状態は、築後12年の建物としては、非常に良好。塗装の強度は十分で、構造体のひび割れも、類似の建物と比較して、少ない。ただし、コンクリートの中性化が進んでいるので、早めの補修が望ましい」というものでした。
その診断報告をもとに、外壁の補修数量を、下記のように決めて、契約をいたしました。じっさいの補修箇所・数量は、足場を組んでから、再度の全面調査をしないと、はっきりとはわかりませんが、施工業者の、これまでの改修工事における「経験則」にしたがい、決めたものです。
1 | 鉄筋爆裂(ばくれつ)の箇所数は、地上から、望遠鏡調査で把握した量に対して、2倍程度と仮定する。 |
2 | 幅0.3o以上のクラック(ひび割れ)は、同じく、望遠鏡調査による延長数量の1.5倍程度と仮定する。 |
3 | なお実際に足場を組んでみて、予想以上に補修箇所が増えた場合も、これらの補修項目については、原則として追加増額を行わず、施工者の企業努力にて対応する。 |
……足場を組んで、古い塗装の膜を剥がして、初めて「コンクリートの素肌」が見えてきました。その状態を、札幌塗装工芸の診断担当者がチェックし、外壁にはカラースプレーでマークし、さらにそれを図面に写し取っております。この作業は、5月16日までに約7割を終えました。
私も、5月16日の午後4時から6時まで、2時間ほどかけて、建物の外周をくまなく見て歩きました。
その結果を、ひとことで言うと、「塗装を剥がしてみたら、予想以上に欠陥がたくさん出てきた。」ということになります。具体的には、
1 | 全ての窓の4隅に、ひび割れが認められ、その他にも、縦方向の収縮ひび割れが、無数に発見された。 |
2 | ベランダ窓を除く、全ての窓の水切りの端部に、詰めモルタルの不良による欠損が発見された。 |
3 | 8階の、通気管を固定する詰めモルタルは、凍害を受けてぼろぼろになっている。 |
4 | 総体として、補修が必要な、鉄筋爆裂箇所や、ひび割れの総量(延べ長さ)は、契約段階で想定したボリュームの3倍程度に達するもよう。 |
この結果を踏まえて、現場で打ち合わせたことは、以下の通りです。
1 | 新しく見つかった欠陥の補修方法を、個別・具体的に決定 |
2 | 欠陥補修の体制については、「工期厳守」の方針だと、現在の3倍の人数を入れて、一気にやっつけるという方法になるが、現場を見た限りでは、そのような方法は好ましくない。 むしろ、「品質重視」の方針を取り、多少時間がかかっても、現在の人数で、丁寧に、しっかりと補修することで合意。 |
3 | 補修の結果の状態、および補修の途中経過の確認は、1週間後の5月23日に、再度現場をチェックする。 |
……このような方針で、現場を進めておりますので、ご理解ください。以上、工事の状況を、ご報告いたします。
先日、理事会から、外壁色の決定について、通知をいただきました。ご協力、ありがとうございました。5月16日に、材料の発注手配を指示いたしました。6月はじめから、いよいよ塗装工事が始まる予定です。
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