平成8年7月15日

札幌マンション販売株式会社   取締役社長 殿

札幌Pハイム管理組合
理事長 × × × ×

排 水 管 修 繕 工 事 に つ い て


 札幌Pハイム 排水管修繕工事については、先の説明会に於いて種々話し合って来たところであります。
 当初、一階の部屋の中から工事を行うことで、話しを進めてきましたが、その後一階の入居者の方の理解を得ることが困難となったため、再度検討を行なって、屋外からのトンネル方式に変更して試験工事を行ってきました。
 そもそも、マンションの排水管が、一般的に10年足らずで、この様に不良となり、修繕工事をやらなければならないことは、他のマンションでは例のないことであり、誰もが思っていなかったことであります。
 当時の建築工法では、或いは正規なものであったとしても、現実に今この様に使用に耐えない状況となっていることは事実であり、建築業者の札幌マンション販売鰍ニしては、契約上の「暇疵責任」の問題は別としても、「道義的責任」は十分にあり、その責任を果たすものとして、今回の工事費についての負担を当然負うべきものであると、我々は考えています。
  しかし、管理組合としても、入居以来これまでに経過してきた期間に対する償却の部分として、次表の、「一般公共施設建造物の建築物等の原価率表」を採用することとし、建造物の付帯設備として、付設されている排水管の耐用年数は、35年となっていることから、これを当マンションの排水管に当てはめてみることとしました。

非木造建築物等の現価率表

等級 耐用年数 償却率 0年 1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年
1 30年 0.0266 100.0% 97.3 94.7 92.0 89.3 86.7 84.0 81.3 78.8
2 35年 0.0228 100.0% 97.7 95.4 93.1 90.9 88.6 86.3 84.0 81.7
   

表の中で 等級2(耐用年数35年)で、経過年数8年(排水管が異常を発生した時点) では、
  原価率   81.7%  (負担率 18.3%)
となっており、100%から原価率を引いた原価償却分を、排水管の機能回復に要する割合とし、この数字を管理組合が今回負担して行く率と致します。

 また、平成6年に排水管の修繕工事として、既に行った工事についても、管理組合としては、今回の事象と同一のものとして考えています。
 従ってこの分も今回の修繕工事費の中に含めるものと致します。
 以上の通り理事会において別紙資料を基にして協議をし、管理組合の基本的な考え方と致しました。
  したがいまして、貴社に対しその実現のため最大限のご配慮を願いたく強く要請を致します。

  なお、この件に対する回答は文書により7月18日迄にお願いを致します。


(別 紙)  話し合いの内容と趣旨

 札幌マンション販売(株)はマンションの販売業者であるとともに、建築業者でもある。
 その業者が建てたマンションで起こった事として、今回の排水管異常のための修繕工事の問題が起こったものである。

  しかし今の時点で、法律的には、我々が購入した時の「売買契約」の中にもあるとおり「瑕疵担保」(2年間)としては、その期間もすでに経過をしており、建築業者として、その責任を問うことは出来ないと思う。

  ただしこの種の問題は、他のマンションではほとんど例のないことであり、また建ってから10年も経たないうちに、排水管がこのような状態になるとは、だれもが予想しなかったことであり、我々としてはどうみても納得の行かないことである。

 当時の工事の方法としては、或いは正規なものであったかも知れないが、しかし、現実に今異常が起きて、修繕工事を行わなければ住めない状況にある事は事実であり、このマンションを建てて販売した札幌マンション販売(株)は、建築業者として、社会的にみて、どうみても「道義的」責任は充分にあると考えられる。

 私たちは、札幌マンション販売(株)を信用してこのマンションを買って住んでいるものであり、札幌マンション販売(株)は、我々のその信用をうらぎらないよう、「道義的」な責任を強く感じて、この件の全ての処理について、責任をもって解決を計ってもらいたい。

  また、今後の我々との話し合いについては、誠意をもって対応し、円満に話合いが進められるよう強く要求するものである。

 我々としては、無意味は争いごとはまったくしたくない。
  また、この件についての負担をまったくしないとは考えていない。
  これまで、10年近くもこのマンションに住んできた経過がある、従って、その部分として経過した負担については、当然考えの中に入れて物事を考えて行くべきだと思う。

 その考え方の負担分として、たとえば、入居者に対する理解と協力を得るための説得。これもなかなかむつかしい問題であると思が、理解と協力がなければ進めることが出来ない工事である。
  また、一階入居者の方の一時移転費・転出先住居費・移転者に対する協力費、等については、我々管理組合が負担をして行かなければならないものではないかと考えます。
 我々としても、最大限の努力はして行きますので、札幌マンション販売(株)としてもその辺を十分ご理解を願って、排水管修繕のための工事費については、全面的に協力費としてご援助をお願いしたい。
 入居者の方が一番心配していることは、はたしてこの工事費はどのようになるかということだと思います。


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