「札幌Pハイム」大規模修繕等専門委員 文責 専門委員(1級建築士) 寺地信義
標題のことにつきまして、専門委員の立場から、あらためてご報告いたします。
さきの専門委員会報告書No1では、下記の報告をおこないました。
1.且D幌×××サービス による調査の結果から
2.札幌マンション販売梶@のグラスファイバー内視鏡による調査の結果から
3.たるみが生じた原因について、等
……ここまでが、前回の報告の要旨です。
その後、専門委員会でさまざまな議論がありましたが、現状のさらなる究明を目的として、試験工事にとりかかる前に、下記の調査を実施することにしました。
【満水試験の実施】
これまでの試験では、排水管の「欠陥の程度」が明確でなく、敢えて大規模な工事に着手する緊急性があるのかどうか、はっきりしませんでした。そこで、欠陥の有無がはっきりとわかる調査ということで、満水試験を実施することにしました。
試験の方法は下記のとおりです。
まず、排水管の下流にパッキンをして水が漏れないようにした上で、上流から水を流し込み、排水管を水で満たします。
その後、一定時間(おおむね30分)放置し、水位が下がらなければ、異常なしです。
水位が下がれば、見えない部分で漏水していることになります。
5月17・18日の調査の結果は、下記の通りです。
……この結果、排水管修繕工事の緊急性が強く認識されました。
【108号室床下配管の状況調査】
経緯については省略し、5月26日に調査して新たに発見したことを列記します。
こうした結果を子細に検討し、5月30日の専門委員会では、工事を速やかに進める必要性を確認し、入居者の皆さんに事態の緊急性を理解していただくという目的で、急遽6月7日に工事説明会を開くことになりました。
また、工事の方法については、あらゆる角度から詳細に検討してきましたが、(作業員の、排水管の)安全性を最優先に考え、現段階では1階の居室内部から工事を行う以外にないとの結論から、この工法で説明会に望むということにしました。
説明会については、先に議事録の全戸配布がありましたので省略しますが、「事態の重大性と緊急性について理解をしていただく」という目的は達成できたと認識しております。
その後、工事の方法に対しては、1階の入居者の方から、「ひと晩考えてみたけれど、居住している部屋の中からの工事は、どうにも承服できない」という意見が理事会に寄せられ、理事長からの要請で、6月10日に札幌マンション販売と再度検討を行いました。
この日、新たに状況が変わったのは次の点です。
これまで、専門委員会では、管理人室に保管されている「設計図」で工事の検討を進めてきました。「設計図」では、基礎の寸法(位置関係)や配管経路が正確にはわかりませんが、やむを得ずこの「あいまいな図面」を唯一の手がかりにするしかありませんでした。
しかし、このほど札幌マンション販売を通して、当時の排水工事の「施工図」が手に入り、今回はこの図面で各配管の経路(平面配置)を子細に検討することができました。
その結果、
……との、合意に達しました。
1階にお住まいの方々になるべく負担をかけないで施工できないかということは、当然ながら理事会からの最大の要請事項でしたし、専門委員もその方向で一致しておりました。
しかし、類似工事での事故事例・工事費積算のための不確定要素をはじめさまざまな点から、トンネル方式には、明るい材料がひとつも無い状況でした。
しかし、説明会以後、札幌マンション販売も、入居者の生の声をたくさん聞いたことで、これまでより積極的にトンネル方式の検討に取り組んだことは事実であります。
説明会に、こうした効果があったこともご報告しておきます。
試験工事は、決して楽観は許されませんが、経緯を注意深く見守り、次の臨時総会では、少しでも明るい見通しが報告できるようにしたいと考えております。
以上、報告が遅くなりましたことをお詫びし、今後ともご支援をお願い申し上げます。
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