第3回 Pハイム管理組合専門委員会議事録

開催日時  平成8年(1996年)5月30日 午後6時30分 から
場所     当マンション集会室 
出席者    理事・監事 4名(全員) 専門委員 4名(全員)
招待者    札幌マンションサービス(管理会社) U部長
販売業者   札幌マンション販売 サービスマネージャー H氏


1.排水管修繕のための調査工事について

  各調査結果の報告

(1) 満水試験の結果
   5月17、18日の2日間にわたり調査を行いました。
   その結果 1号棟雑排水管 2号棟雑排水管 8号棟汚・雑排水管の3系統の排水管は漏水はなかった。
   それ以外のすべての管は異常があることが判った。従って床下に汚水が流れ込んでいるかも知れない。

(2)108号棟床下排水管の堀削後の現状について
   5月22日から掘削工事を行い24日迄に管の上に乗っている土は取りのぞいた。
   管の状況を調査したところ、管の曲がりの部分に亀裂損傷があった。管のつり金具はついていなかった。
   沈下を防ぐための仕え金具は1ヶ所にあった。排水管は床下の中央部分で約10センチ異常が下がっていることが判った。
   沈下の原因は埋戻しの際の転圧が足りなかったかとも考えられるがはっきりとは判らない。
    現状の状態では、危険であり早急修理を要する。

(3)基礎に穴開け後の強度計算結果について
   札幌マンション販売と、Teraさんに調査をお願いしてあったがその結果を報告願いたい。
   ■ 札幌マンション販売 Hさん
      現在外部に依頼しているが、まだその結果が報告されていない。
      私としてはこれ以上基礎に穴を開けることは反対である。この工法では危険で責任がもてない。
   ■ Teraさん
      勤務先の構造設計者と打合せしたが、構造計算書がないので、一般論としてたいへん危険なこと。
      他の会社が建てた建造物に対して、我が社がとやかく言えるものではない。
      基本的に、建築物のだいじな基礎に穴を開けることは絶対にさ けるべきである。
   ■ 理事長
      現在開いている穴はしかたないが、これ以上開けることは反対である。

2.今後のスケジュールについて

 105号・108号の(地中梁に)穴の開いている箇所の排水管の工事は一日も早く工事を終わらせて穴をふさぎ基礎を補強すること。

(1)このことについて、入居者の皆さんに早く説明をしていくべきではないか。みんな不安に思っていると思う。
  説明会を早急に開くこととする。日時についてはなるべく早い時期が良い。
  6月7日に行うことで会場を当たってみる。会場は ふれあいセンターとする。
  また、このことは一階の方には特にに理解を得ていかないと工事ができないことである。
  早急に説明会の案内の文章を作って皆さんにお知らせする。

(2)この件について、管理組合側と札幌マンションサービス側の責任者の方と、一回話し合うべき。
  お互いの考え方をぶつけ合って理解し合うことが必要ではないか。
  管理組合としても、我が方の考え方を説明して協力を要請していくべきだと思う。    

代表者 Pハイム管理組合側 S理事長 Tera専門委員
札幌マンション販売側 Y常務 H室長
場所 札幌Pハイム管理組合集会所
時期 なるべく早い時期に、札幌マンション販売側で、セッティング
(補記:最終的には7月29日に実施)
内容 別紙「話し合いの内容と趣旨」を、理事長案として提出
(このページの最後に、添付資料とした)

(3)107号棟の調査工事の実施について
  6月7日の説明かが終わった後直ちに工事を行う。
  工事完了予定 6月末日頃
  工事の方法は次の通りとする
  部屋の中の床に穴を開けて、床下の土を掘削りして排出し排水管の修理を行う。
  この工事を行うに当たって、工事中に悪臭やガスの発生で、住んでいられない状態になった場合には、あらかじめ決めている転出先へ移転して生活することとなる。
   ここの調査工事の状況を基にして、今後行う工事のすべての参考とし計算の基礎とする

(4)専門委員会の開催について
  6月末日頃
  107号の調査工事が終わると同時に、その工事結果を基にして具体的な話し合いを札幌マンション販売と行う。
  今後の工事の方法、期間、移転関係、工事費、工事費の負担割合 等について

(5)一階入居者に対する協力要請
  7月 上旬
  工事の具体的な説明を行い協力要請をして了解を得る

(6)臨時総会の開催について
  7月 上旬

3.工事費用にかかわる、協議事項・確認事項

排水管工事を実施するに至った経過及び今後の対処方法について、確認する

(1)修理をしなければならなくなった原因は?
 ■理事長より
  排水管の定期清掃時に、土砂が管の中から出てくるので、精密な調査を実施したところ、ほとんどの管に何らかの異常があることが判った。
  また、ある一階の入居者から、異常なにおいが部屋の中にあがってくるとの連絡があり、調査をしたところ管が破損して、汚水が床下に流れ込んでいることが判り、緊急に修理をしたことがあった。
  しかし、昨年さらに異常のあるむねの連絡があり、大規模な精密調査を行ったところ、ほとんどの管が危険な状態になっていることが判りました。
  もしもそんなことになると、1階から8階まで全戸が生活できなくなり、大変なこととなるので、そうなる前に修理をする必要がある。
  ということで今回の排水管工事となった訳であります。
  そうなった原因は、長年にわたる地盤沈下、あるいは何かの原因で管が破損したか、または地盤を転圧したときの不十分な事が原因か、はっきりしたことは判りません。
  いずれにしても、このままの状態にしておくことは、きわめて危険であり、早急に修理をする必要があります。
  問題はその修理工事の費用と負担のことだと思う

(2)修理工事費用について
 ■理事長より
  札幌マンション販売(株)はマンションを建築して販売している業者であり、我々はそのマンションを信用して買って住んでいるものである。
  そのマンションが10年も経たないうちに排水管が壊れたという事は、建築した建築業者としては恥ずかしいことではないか、当然そのことの道義的な責任は感じるべきである。
  従って、そのための修理工事の費用については全部札幌マンション販売(株)が負担すべきだと考える。
  しかし、我々も今まで約10年間このマンションに住んできた事実があるので、その部分の負担は持つのが妥当と思う。
  札幌マンション販売の、Hさんに伺いたいが、工事費用はアバウトでどのくらいと見込んでいるか。?
 ■札幌マンション販売 H室長
  これまでにかかった費用を除いて、今後約1,200万円くらいと思う。
 ■理事長
  マンションサービスの、Uさんに伺う。
  工事費以外で、転居費、移転先の住居費、移転者に対する協力要請費等はどの位と思うか。?
 ■マンションサービス U部長
  全員が同じ条件とはならないのではっきりとは計算できないが、約150万円〜200万円と思う。
 ■理事長
  平成6年に行った配水管工事はこれをどう考えるべきか。金額は 248万円である。
 ■理事の複数意見
  このマンションの配水管の修理費用としてかかったものであるから、我々としては当然この費用も含んだものとして考えるべきだ。
 ■理事長の総括 
  今日のところ、1,200万+248万=1,448万円が工事費となり、この額が札幌マンション販売(株)に負担してもらう金額となる。
  この他に、工事を行うための1階の方の移転費用・移転先の住居費・協力費などで、管理組合が負担する金額は 約 150万〜200万円となる。

以 上


(添付資料) この日の議案書1

配水管修繕工事に関する経過及び今後のスケジュール (理事長作成)

1.これまでの経過

@ 3月2日 第1回 専門委員会開催
 この度の配水管の異常についての原因は、色々と考えられる点はあるが、はっきりとした事は今の段階では何処も判らない。
 いずれにしても、この事は早急に解決していかなければならない問題である。
 とにかく、まず試験的に工事を行ってみて、その原因を究明し、あわせてこの工事の方法、工事の期間、工事に要する金額などを詳細に検討をしていく。
 その工事の場所は7号棟1階床下配水管の場所とし、工事の方法はトンネル掘削方法とする。
 この工事の過程、工事の結果についてはすべてあきらかにして 今後の検討材料とし話し合いを進めていく。

A 5月9日 第2回 専門委員会開催(工事方法の変更)
 前回の専門委員会に於いて決定した、トンネル掘削方式の調査試験工事は、他マンションにおいて同様の工事を行った事例があり、その時の話を聞くと、作業員が生き埋めとなりレスキュウ隊の出動養成を行ったなど非常に危険性が高い。
 また下から掘り進むため横配水管が落下して折れてしまうと、縦系統の全戸が生活できなくなるなどの恐れがある。
 そうしたことから、一階床上からの工事方法に変更することで検討を願いたい旨の要請が札幌マンション販売H氏よりあった。
 専門委員会としては、この要請により、さらに検討を行ってきたが、トンネル方式はやはり危険度が大きいので困難だと判断した。
 それではその工事の前に、まだ、何か他に方法がないのか、検討をすべきだと言う意見があり、論議の結果次の方法を行ってみる事とした。

(1)108号棟横に既に開いている穴を利用して、床下の土を掘り出して、配水管の状態を調べる。
(2)基礎に穴を開けて工事を行った場合の基礎の強度計算をやってみること
   札幌マンション販売とTeraさんの会社の双方に行なってもらうよう依頼する。
(3)満水試験を行うこことする。 その試験結果を専門委員会で検討をする。
   試験の実施月日 5月17−18日    5月24日 結果報告書を受領する。
   101号棟  雑配水管   漏水なし
   102号棟  雑配水管   漏水なし
   108号棟  汚・雑配水管 漏水なし
   上記3本の管だけが漏れがないことが判った、しかしその外の管はいずれも満水とならず漏れていることが判った。
(4)108号棟配水管の堀り出した後は、そのままの状態にして、専門員の方に現状を目指してもらい確認してもらうこととした。
   5月26日(日)まで

2.今後の予定について
@ 第3回 専門委員会の開催
      5月30日(木)
A 調査試験工事の継続   107号棟一階内部の床から開口して堀削工事
      月   日頃
B 第4回 専門委員会の開催
   試験工事がべて終わった、本工事に向けての方針を決定
   工事費などの負担割合等も含む。
      月   日頃
C 工事に対する理解と協力要請について
   入居者の皆さんの理解と協力を得るため、集会所に於いてビデオ収録した画面により現状を説明する。(朝・夜の2回程度)
      月   日頃
D 一階入居者に対する話合い及び協力要請に点いて
      月   日頃
E 臨時総会の開催について
   臨時総会を開いて、今後の対策を話し合い、工事の方法・費用の   負担等について決める。
      月   日頃
F 本工事の着工について
      月   日頃

3.その他


(添付資料) この日の議案書2

(別 紙)  話し合いの内容と趣旨  (理事長作成)

 札幌マンション販売(株)はマンションの販売業者であるとともに、建築業者でもある。
 その業者が建てたマンションで起こった事として、今回の排水管異常のための修繕工事の問題が起こったものである。

  しかし今の時点で、法律的には、我々が購入した時の「売買契約」の中にもあるとおり「瑕疵担保」(2年間)としては、その期間もすでに経過をしており、建築業者として、その責任を問うことは出来ないと思う。

  ただしこの種の問題は、他のマンションではほとんど例のないことであり、また建ってから10年も経たないうちに、排水管がこのような状態になるとは、だれもが予想しなかったことであり、我々としてはどうみても納得の行かないことである。

 当時の工事の方法としては、或いは正規なものであったかも知れないが、しかし、現実に今異常が起きて、修繕工事を行わなければ住めない状況にある事は事実であり、このマンションを建てて販売した札幌マンション販売(株)は、建築業者として、社会的にみて、どうみても「道義的」責任は充分にあると考えられる。

 私たちは、札幌マンション販売(株)を信用してこのマンションを買って住んでいるものであり、札幌マンション販売(株)は、我々のその信用をうらぎらないよう、「道義的」な責任を強く感じて、この件の全ての処理について、責任をもって解決を計ってもらいたい。

  また、今後の我々との話し合いについては、誠意をもって対応し、円満に話合いが進められるよう強く要求するものである。

 我々としては、無意味は争いごとはまったくしたくない。
  また、この件についての負担をまったくしないとは考えていない。
  これまで、10年近くもこのマンションに住んできた経過がある、従って、その部分として経過した負担については、当然考えの中に入れて物事を考えて行くべきだと思う。

 その考え方の負担分として、たとえば、入居者に対する理解と協力を得るための説得。これもなかなかむつかしい問題であると思が、理解と協力がなければ進めることが出来ない工事である。
  また、一階入居者の方の一時移転費・転出先住居費・移転者に対する協力費、等については、我々管理組合が負担をして行かなければならないものではないかと考えます。
 我々としても、最大限の努力はして行きますので、札幌マンション販売(株)としてもその辺を十分ご理解を願って、排水管修繕のための工事費については、全面的に協力費としてご援助をお願いしたい。
 入居者の方が一番心配していることは、はたしてこの工事費はどのようになるかということだと思います。


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