1996年5月22日

「札幌Pハイム」 排水管満水試験 結果表

「札幌Pハイム」管理組合 大規模修繕等専門委員会

「札幌マンション販売(仮名)」の指示を受けて、「北海道設備(仮名)」が実施した、報告書の写し

月日 試験時間 試験場所 給水メーター指針 試験結果(判定)
5月17日(金) 9:00から10:00 1号系統 101号室 始 455リットル 汚水管満水せず
漏水
終 959リットル 雑排水管15分間放置
漏水なし
5月17日(金) 10:00から11:00 2号系統 103号室 始 485リットル 汚水管満水せず
漏水
終 896リットル 雑排水管満水せず
(土砂流出)
漏水
5月17日(金) 11:00から12:00 4号系統 107号室 始 657リットル 汚水管満水せず
漏水
終 956リットル 雑排水管満水せず
(土砂あり)
漏水
5月17日(金) 13:00から14:00 3号系統 106号室 始 125リットル 汚水管満水せず
漏水
終 451リットル 雑排水管満水せず
漏水
5月17日(金) 14:00から15:00 4号系統 108号室 始 874リットル 汚水管30分間放置
漏水なし
終 938リットル 雑排水管30分間放置
漏水なし
5月17日(金) 16:00から17:00 3号系統 105号室 始 619リットル 汚水管満水せず
漏水
終 781リットル 雑排水管満水せず
漏水
5月18日(土) 14:00から15:00 2号系統 102号室 始 718リットル 汚水管満水せず
漏水
終 842リットル 雑排水管30分間放置
漏水なし

【解説】
 満水試験の原理は、きわめて明快である。

 模式図(満水試験のイメージ)
 
 建物の排水は、低い方に向かって流れていく。
 マンションの場合、上から流れ落ちてきた排水は、1階の床下で折れて、建物の外部に向かい、建物を出たところで排水枡(マンホール)(会所ともいう)に流れ込む。
 この枡のところで、排水管の出口を、ゴム風船のようなもので、密閉する。
 その状態で、1階の便器からゆっくりと水を注ぐと、排水管に問題が無ければ、配管の中が水で満たされ、いっぱいになる。
 いっぱいになったところで、15分間とか、30分間放置する。
 水位が下がらなければ、途中での漏水はない。
 ところが、配管の途中に穴が空いて、そこから水が漏れていると、便器にいくら水を注いでも、いっぱいにならない。
 これが、上の表の中で「満水せず」という表現の意味である。
 (土砂流出)とか(土砂あり)というのは、満水試験を終えて、枡の密閉風船を外したとき、水と一緒に土砂が流れ出たという意味である。配管に何らかの割れがあり、そこから土砂が流れ込んでいるということになる。

 この試験をするまで、「土砂が出てくる」とか、「たるみがある」とか、排水管の現状について、間接的な情報しかなくて、事態の緊急性を示す、「確たる証拠」が出てこなかった。
 1000万円必要とされる緊急工事について、その必要性があるのか、しばらく様子を見ていてもかまわないのか、専門委員会でも議論があった。
 「満水試験をやってみたら? 費用がかからないわりに、結果がはっきり出るから。」とは、私の勤務先の同僚(設備工事担当)のアドバイスであった。
 そして、専門委員会で、私の提案に対し、札幌マンション販売のH室長は、二つ返事で、「それ、やってみましょう。」と言ってくれた。
 
 結果は、14本の配管のうち、10本に異常をきたしており、きわめて深刻な事態に陥っていることが、これで明確になった。
 迷っている時間はないのである。
 追い立てられるように、次のステップ(工事負担金の交渉)を模索しなければならなくなった。


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